Best of HITSPAPER January , 2009


2009年1月にHITSPAPERでポストされた記事の中から、週毎に注目の記事をピックアップしました。金融問題で揺れる世界で一筋の光となるアートワーク、悲壮感をテーマにしたアンチテーゼ、人権に俟つわるプロテストキャンペーンなど幅広くセレクトしました。あなたの心に焼き付いたアートワーク・プロジェクトは何だったでしょうか?



Electrabel - Happy New Year (January 4-10 , 2009)
H.P:www.famous.be/#/work_detail/26/ (Official)
H.P:jp.youtube.com/watch?v=L5Nu8bo2d-o&fmt=6 (Youtube)
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ベルギーに拠点を置くインタラクティブコミニケーションに特化したクリエイティブエージェンシー[FAMOUS]が手掛けたHappy New Yearキャンペーン。クライアントは同じくベルギーの電力会社Electrabel(フランスの多国籍企業スエズ(SUEZ SA)の傘下にある)。30万個のキャンドルを人の手で配置し、美しい音楽とストップモーションで演出した作品は多くの人間に光を与えてくれました。
環境問題として温暖化が取沙汰されていますが、専門家の説によると寒冷化も進行していて、人為的・自然起源に関わらないすべての気候の時間的変動について議論が成されています。
そんな中、エネルギー、バイオマス(現生生物体構成物質起源の産業資源)やモーダルシフト(輸送機関の移行)、カーボンラベリング(人間が活動する上で排出されるCO2)など多くの問題に間接的・直接的に関わるエネルギー(電力)会社がこのキャンペーンでメッセージを発した事が何より評価できますね。ぜひ、哲学性を貫いて欲しいと思います。メイキング写真も掲載されています。

via:No fat clips!!!





Basque Health Department Headquarters (January 11-17 , 2009)
H.P : www.coll-barreu-arquitectos.com (Offical Site)
H.P : antenna7.com/root/basque-health-department.html (HITSPAPER)
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この週はピックアップに迷いましたが、スペインのビルバオ : エンサンチャ通りに建設された商業施設Basque Health Department Headquartersをピックアップ。この建築物の特長は強力な耐火性、防音材を使用したガラスで、つり天井が空調設備として機能する為、ほぼシーリングされた状態になり、建物の外音がほぼ遮断され、また、汚染された空気などをシャットアウトします。コンセプト及び名前である"Basque Health Department Headquarters"は"汚染された空気、騒音といった害から人を守る"という意味です。これは非常に素晴らしいアイデア・機能だと思いますが、大きなスキームとしてセカンドステップとして挙げられるのは、建築物が植物のように騒音や汚染された空気を浄化させる機能を備える事になるでしょうか?

via:www.archdaily.com







We're All Gonna Die - 100 meters of existence (January 18-24 , 2009)
H.P:www.simonhoegsberg.com/we_are_all_gonna_die/slider.html (Official Site)
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コペンハーゲン出身のフォトグラファー[Simon Høgsberg]がベルリンrail road bridge上を行き交う人に20日間シャッターを向け続けて撮影した作品。この作品はパノラマ式となっていて撮影された人物は178人、その長さは100メートルにも及ぶそうです。

本作のタイトル"We're All Gonna Die"が妙に納得させられてしまう。それは満面の笑顔で映っている人物、悲壮感を漂わせている人物共通して感じさせられる。個人的にはムラーリ・K・タルリ監督の映画[明日君がいない](現代社会、特にティーンの自殺をテーマにした作品)にリンゲージしました。そして、この光景・情景は決して他人事ではなく、実は、私たちの間近に存在する問題のような気がします。それは決して安易な弱者の持つルサンチマンという訳でもなく、世界を覆う人の体温の低さ(パッションの方)に起因しているのかもしれません。多くのコミニケーションツールやコミニティが誕生する(共有化を求める)中にあって、人間性がシーリング(密封)されていく方向へ引き吊られていく現状は、非常に考えさせられますね。









Zero DB campaigns against music torture (January 25-31 , 2009)
H.P:www.zerodb.org (Offical Site)
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近年、キューバにある米軍グアンタナモ基地に代表される音楽(大音量でのノイズを含む)をエンドレスに収容者に聞かせる拷問が問題となっていました。(ちなみにBarack Obamaはこの収容所を閉鎖する意向を示している。)米国政府では拷問に使用した音楽の著作権使用料を支払う義務など法廷で争われたりと、別の問題が浮上し、論点がぶれかけていた中、英国にある人権保障、法律家集団[Reprieve]がUniversal Declaration of Human Rights(世界人権宣言を唱えた団体)の60周年記念の一環でプロテストキャンペーンを行いました。

サイトにアクセスすると、様々な国籍・職種の人間が動画を投稿(自由に参加可能)しています。彼らに共通するのは、音楽を愛すること。沈黙で抗議すること。声なき抗議は下手な表現を遥かに凌駕するパワーを感じさせてくれます。フィロソフィー、ソーシャルステイトメント、深層度に与える影響など"心に残る"非常に素晴らしいキャンペーンでした。

日本語訳の素晴らしい記事があるのでこちらもご紹介しておきます。
http://nofrills.seesaa.net/article/111288586.html



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2009年が始まり、早いもので1ヶ月が経過しました。この1ヶ月の中でも多くのアウトプットが誕生しました(それに費やした時間は更に果てしないでしょう)。今年のスタートとして、どうしても金融問題のからくるセンチメンタルの影響を挙げなければなりませんが、その結果、多くの人間や企業が原点回帰の道を模索し始めている事を感じずにはいられません。モノの価値や人間の価値、情報の価値、ソーシャルストラクチャーといった骨組みとそこに宿る魂をどの様に評価するのか?

そんな年は、クリエーターにとって、非常に活動しやすい年になると思います。魂から信じるシード(種)をこの土壌・この時期に蒔く事は、今後大きなスキームで開花するポテンシャルを秘めているからです。アリとキリギリスではないですが、怠けず、人間らしく、正直な人格から創出されるエネルギーは(勿論、正しいストラテジーやオーガニゼーションストラクチャーも必須ですが)ここ数年で更に力を増して行くでしょう。これは先進国やBRICsの中でも長いスキームの中で歴然とした差になってくると思います。

今回、ピックアップした作品も、この作品で完成系というモノではなく、ヘリックスサーキュレーションとして、未来のクリエイティブにリンケージしそうなアートワーク・プロジェクトをセレクションしました。あなたの脳内へインスピレーションとして何かを伝える事が出来れば幸いです。

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